2008年5月3日土曜日

その後....

 本当にどうなる事かと思いましたが、母は取りあえず持ち直しました。今は吐き気も抜けて以前よりは少量ですが普通食を食べられるようになりました。
 ただ倦怠感だけは抜けず、1日の大半を横になって過ごしています。今までの母からは考えられません。それが心配ですが、その倦怠感がどこから来るものなのか、こればかりは調べようがありません。母は癌の進行によるものだと信じているようですが...。4日以上も普通に飲食が出来ない状態だった訳ですから、元気な人間でも相当衰弱するはずです。ただでさえ基礎体力が落ちている所に来たダブルパンチから立ち直るには今しばらく時間がかかると思いますので、焦らずに様子を見ていきたいと思います。
 
 焦らずに、と自分で言っておきながら焦らずにはいられない事が一つ。
それは前回の抗がん剤投与から10日ほど無治療になっている事です。ただこの状態で抗がん剤を体内に入れる事はもっての他ですので選択肢はありません。ただいつが治療の再開時なのかを見極めるのが難しいです。

 もうすぐサイバーナイフセンターでの脳MRIがあり(ここの主治医には多大な信頼をおいています)、その後現病院でのCT検査があります。これを一区切りに今後の治療を考えたい所ですが、その翌週に、母曰く「夫婦二人きりの最後の旅行」が以前から予定されていました。両親としては何としてもこの旅行を決行したいようで、私としても、最後かどうかはともかく是非とも行って来て欲しい気持ちがあります。

 そうなるともしも近日治療を再開したならば、次期治療薬剤の候補No1のタルセバを服用して日が浅い内に旅立つ事になります。それはあらゆる意味で不安ですのでタルセバを旅行帰りまでペンディング、となるといったいどれくらい無治療期間になるのでしょうか....ざっと20日強です。先月末のマーカーが10も上がっている事を考慮しても賭け以外の何物でもありません。

 今回の痛い経験から、母はもう点滴抗がん剤を受け付けられない状態だと思うので、それを除外するとタルセバ以外に残された薬は内服薬のTS-1しかありません。肺腺ガンにおいてTS-1は単剤での奏効はあまり望めず、あくまでも白金系との併用が推奨です。今の母が白金系の薬剤に耐えられるかどうか。まず無理でしょう。正に八方塞がりです。

 気休め程度にTS-1を単剤で飲む手も無くは無いですが、むやみやたらに薬剤を体に入れることにも抵抗があります。旅行と命とどっちが大事なのかと言われそうですが、この病期の患者にはもしかしたら旅行を優先させるのが前向きなのでは無いかと思ったりもします。
 以前頂いた非公開のコメントの言葉を借りると「残された日々がハッピーであること」はとても大事な事です。

 母の状態が良く無かったのでしばらくの間、凄い勢いで実家と自宅を行き来していました。実家までは高速を使って2時間〜3時間の距離です。もういい加減慣れましたが、昨今自分自身の気力体力の低下は否めません。
 実家に行けば1日最低2食の準備と後片付け、買い物、私が帰った後の食事の作り置きを考えたり、さらには抱えてる仕事も持参していたりしますので、うまく時間を使わないといけません。気がついて見ると我が家の事が全く放置されていたりもします。
 今日も朝から動きっぱなしでした。次はあれ、次はこれ、と段取りを考えて動くのですがなかなかはかどらず、そんな時に後ろ向きで絶望的な事ばかり言う母につい苛だってしまい強い口調になってしまったり(もっての他です)、少し耳の遠い父にも一度で話が通じずイライラしたり...良くないですね。まずは自分自身のコントロールをしなくてはいけません。
 
 こんな未熟な自分ですが帰りの車の中で思ったのは「こんな風に親の面倒を見られるのも親が生きている内だけだからありがたいと思わなくてはいけない」という事。そう思ったら涙が出て来てしまいました。


 

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