2007年12月29日土曜日

年末になりました。

 今日で仕事納めの方も多いのでは無いでしょうか。私も今日が納めでした。
振り返れば本当に細々とした仕事をこなし、雑事に追われ、動きの割には報われない事の多い一年でした。
ただ良い点を挙げれば沢山の種を蒔けた実感があります。来年はその種たちが芽を出し、花を咲かせる年にしたいです。

 母が告知を受けてから2度目のお正月が来ます。
2年前のお正月の帰省中に母が「肺に影があると言われた」と私に打ち明けました。その時によぎった何とも言えない嫌な予感と重たい不安感は今でも忘れられません。
 告知を受けた直後は二回目のお正月を迎えられるとは思っていませんでした。本当にありがたい事です。
今までは当たり前のように迎えていた年末や新年がこれほどに貴重な瞬間になるなんて思いもしませんでした。
あと何回、とはあえて考えません。

 2度目のイレッサは前ほどの即効性は見られないものの、咳が若干治まってきたり、レントゲン画像が少しすっきりしていたりと地味に働いてくれているようです。
 本当はもっと詳細な画像による診断でイレッサの奏効の程を知りたいのですが、CTの被爆による発ガン性に関する記事が新聞に載っていたそうで、今まで月一で撮っていたCTを母が撮りたがらなくなりました。
CTには肝臓の画像も映るので転移を見るにも役にたっていたのですが....
 
 CTの検査被爆の問題は各所で言われていますが、実際のところはどうなのでしょう。
医者でも意見が全く逆の場合もあり、判断しかねています。どなたか情報をお持ちの方、教えて下さい。

2007年12月14日金曜日

本を読む

横森理香さん著「母を送る、母に贈る」を再び読んでいます。
横森さんのお母様の膵臓がんの闘病、看取るまでの数ヶ月の記録が描かれている本で、全体的に淡々とした文章なのですが、「母がこの世にいなくなる」という大きな悲しみや焦りに似た不安感が各所に感じ取れ、横森さんのお母様への想いが伝わる心を揺さぶる作品です。


この本は私が母の告知でショックを受けてかなり元気を失っていた頃に友人が栄養のある食べ物と一緒に送ってくれたものです。
同封の手紙には「後で笑い話になってもいいから読んでおくと少し楽になるかもよ」とありました。
彼女にしてみれば凄く勇気のいる行為だったと思いますが、彼女の聡明さと思慮深さを良く知る私はイヤな気持ちになるどころかとてもタイムリーでありがたい贈り物だと思いました。

 横森さんがお母様の病気を知り、自分自身の健康状態に過敏になったり、一緒にいる時間を慈しみ、精一杯自分に出来る事を考え行動する姿や、姉妹との考え方の違いに苦労したりと、あらゆる部分が自分と重なりとても心強く感じました。

 『私は母の死を通して、いろんな事を学んだ。母のまわりのさまざまな人たちに会い、やっと、娘として見ていただけでない、母の全部の姿を見た。そして私の中にあった、母に対する複雑な気持ちは、まるできれいな冷たい雨に洗われるように、シンプルな愛情に変わっていった』
 
 私の母はまだこの世にいて今現在も治療の日々を送っています。死について考えるのはまだ早い。
でも、この文章を書いた横森さんの気持ちが良く分かるのです。

 
話は変わります。タルセバに関してこんな情報がありました。



遅すぎる承認、使用例が少ないだけに副作用が懸念される所ですが、イレッサの痛い経験を無駄にせずに主治医厳重監視の許、事故無く沢山の肺がん患者が延命出来る事を願ってやみません。

最後に。
コメントを頂いた皆様、ありがとうございます。どういう都合かこのブログ、コメントの表示が時間差になってしまいます。
使い辛くてすみません....。

2007年12月10日月曜日

不穏な心境

 ここ数日、ブログや掲示板で闘病の記録を読ませて頂いていた方々が数人亡くなっています。病がある以上いつかは迎えなくてはいけない現実なのですが、いざ突きつけられると直接知らない方とは言え大きなショックを受けます。いやおうが無しに母と照らし合わせてしまい、暗澹とした気持ちになります。
 
 告知当初に比べると随分と色々な事に慣れて来て、ちょっとやそっとじゃ打ちのめされないような気がしていましたが、こういう事があると楽観出来ない現状を思い知るのです。

 ここ数ヶ月間は母の治療が定まっていて状態も落ち着いていたので束の間安心していたのですが、マーカーの急上昇によりイレッサに再度チャレンジする事となり、その効果の程はまだ分かりません。
 どれだけ心配してもしなくてもしばらくは2回目のイレッサに賭けるしか無いのだとしたら肚を決めて少しはおおらかな気持ちでいたいものですが、暗雲立ちこめるかのような不安は拭い去れません。

 母が元気な内になるべく多くの思い出を作っておきたいのですが、反面それがあまりに悲しい行為のように思えてしまう自分もいます。とても複雑な思いです。

 思い返してみればほんの10年前、私はまだ独身で両親と一緒に住んでいました。
毎日毎日が慌ただしく、仕事や人間関係などそれなりに悩んだりもしていましたが、自分だけの事を考えていられる幸せに気付いていませんでした。
 歳を取るというのは自分以外の人を全身で受け入れて行く事なのかも知れませんね。
 

2007年12月6日木曜日

変化

 日に日に冬模様が濃くなっていきます。朝晩は冷え込みますね。今年も又新型とインフルエンザが猛威をふるっているようです。更には吐き気と下痢症状を伴う風邪も流行しているとか。師走のこの時期、代理のきかない仕事をしている私のような人間は絶対に風邪をひけません。出先にも携帯コップを持ち歩いてうがい、手洗いを励行しています。基本的な防御策ですが。数日前にインフルエンザの予防接種も受けましたが新型が台頭していては意味が無いのかも知れませんね。

 母はCEAが急上昇してしまい、これまでの点滴での抗がん剤を一旦辞めて、2回目のイレッサに切り替えました。
休薬期間は半年、イレッサローテーションの定義はまだ無いようですが、早い人で3ヶ月の休薬で再び効く事もあるようです。

 画像診断では変化無しだったのですが今までの推移を観察するとマーカーの上昇は「何か」なのかも知れません。

 ナベルビン/ジェムザールでしばらくは安定していたので束の間とは知りながら安心していたのですが...こうなったら二回目のイレッサが最大効果を表すように祈るのみです。
間質性肺炎などの副作用も心配ですが、一回目のイレッサは投薬3日めくらいから顕著に体感的効果が出ていたようですのでその相性に賭けたいと思います。