2007年11月29日木曜日

もうすぐ12月

 毎年思う事ですが一年なんてあっという間。
年の暮れからなだれ込むように新年を迎え、夫の実家や私の実家でそれぞれの両親、兄弟たち、甥や姪たちと過ごす、それまではただただ賑やかで忙しいと感じるそんな新年が本当に幸せだと感じ始めたのは夫の両親が体調を崩し大変な時期を過ごした数年前から、母の病気が分かってからはもっとです。

 母はもうすぐ告知から二年を迎えます。劇的な病状の変化が無いかぎり来年も新年は元気に迎えられそうです。
きっといつも見守ってくれている亡くなった祖母や祖父たちや、いつも支えてくれる夫や友人たちへの感謝の気持ちでいっぱいです。

 先日サイバーナイフセンターでの脳MRIの検査に同行しました。
転移はある事は分かっているので、今回こそは処置が必要な段階まで腫瘍が増大しているかも知れない、と覚悟を決めて行きました。
ところが主治医曰く「今回もやらなくて良いです」との事。

 イレッサやタルセバなどの分子標的剤では無い、点滴で行う抗がん剤は脳血液関門を通過出来ないので脳転移には作用しない、というのが定説ですが、主治医曰く、母に於いてこの増大の止まり方は今行っている抗がん剤治療が何かしらの作用を及ぼしている感触があるとの事、最近ではそういう症例も文献で発表されているようです。

 私はサイバーナイフセンターのこの主治医が好きです。
一見ぶっきらぼうな物言いですが、患者が神経質にならないように細やかに気を使いながら話をしてくれて、今の病状についてもごまかす事無く、とても詳しく説明をしてくれます。オープンな雰囲気で何を聞いてもおざなりな返答は絶対にしません。沢山の例を挙げていざという時はこうすればいい、と希望のある話し方をしてくれます。専門外であるはずの肺の治療についても必ず薬剤の名前を聞いてくれます。

 期限付きはありますが、次回の脳の検査までは何とか安心をもらいました。あとは肺のコントロールが出来ますように!
来年早々にはいよいよタルセバも発売になるようです。まだまだ諦める訳には行きません。


 話は変わります。
母の最初の抗がん剤治療の際に大変お世話になった方がいます。
岩手県で化学治療で脱毛した人用に手作りの帽子を作ってらっしゃる方で、脱毛に備えて使い勝手の良い帽子を探していた時に偶然ネットで辿り着き、母にいくつも帽子を手作りして下さいました。心のこもった帽子に実生活的にはもちろんの事、精神的にも救われた事が思い出されます。

 ある人にその帽子を紹介したくて、再びその方に連絡を取る事になり、改めてあの時の感謝の気持ちを伝えたく、近況報告も含めてメールを出しました。するとすぐにお返事を頂きました。ご本人には無断ではありますが、とても心を打つ内容のお返事でしたのでここに抜粋したいと思います。

 『お母様のご病状には不安を残しながらも安定しておいでのご様子。ようございましたね。それ故にこそ、日々を大切に過ごされておいでではないのかと推察いたします。人が生きるとは、常にそうしたものかも知れません。一点の曇りもない生命の有り様はおそらくないのではないでしょうか?憂いを抱えるからこそ、人は優しくも強くもなれるのだろうと思います。〜中略〜 ◯◯様(私)も、離れておいででご心配は尽きないことでしょう。が、同様に、「想う親」の存在が日々の拠り所になっておいでかと思います。私も、今春から急激に体調を崩し始めた老親達(86、90才)の元へ、足繁く通うことになりました。今まで元気でいてくれたことが驚異的と言えるかもしれませんので、精一杯のことをしようと考えております。

 どうそ、佳い日々をおすごし下さいますよう。お母様、くれぐれもお大切に。』

素晴らしい文面からは深い優しさと知性が伺われ、会った事も無い方ですが改めて感謝の気持ちでいっぱいになりました。

 
 
 

2007年11月23日金曜日

寒いですね。

 随分久々の更新になってしまいました。相変わらず日々慌ただしく、あっと言う間に11月も末、すっかり真冬の気候です。
地球温暖化と言われながら11月にしてこの寒さはいったいどういう事でしょう。北陸では雪も積もったそうですね。

 母は相変わらず元気にしています。腫瘍マーカーはゆっくりと上がっていますが、肺CTは前回とあまり変わり無いようです。
月末に脳のMRIをしますが、こちらも変わりが無いよう、祈るばかりです。

 

2007年11月6日火曜日

特筆事項無し

 このタイトルが付けられるのは嬉しい事です。相変わらずナベルビン、ジェムザールの二剤投与が続いています。白血球値が低い時は若干量を減らしたり、逆に正常値をキープ出来ていて腫瘍マーカーがアップしてしまった時は増やしてもらったりと、何だかんだで主治医もさじ加減を考えてくれているようです。
 3週連続投与で一週間休薬。点滴抗がん剤のみならずイレッサなどの分指標的剤でもショートスパンで休薬する事によって薬の効きを長く出来るのでは無いかという説があります。耐性というものを考えると良く理解出来る原理のように思いますが実際はどうなのでしょう。きっと人によって違うのでしょうね。


 話は変わります。
非常に身近な仕事仲間のお父様が亡くなりました。彼女のお父様は膵臓がん、大腸がんの重複ガンを闘病されていました。
とても気力のしっかりされた方で、何度も窮地を乗り越えてきていて、母も心の中で励みにしていたようです。
病気が分かった時点で余命一年を宣告されていて、それを遥か超える年数戦ってこられた事、ご家族にご自分の最期の事までしっかり伝えていらっしゃったとの事、とても立派だと思います。
最後まで本当に格好良かったお父様のご冥福を心から祈っています。