2008年1月31日木曜日

ありがとう。

 母の告知を受けてから約2年間、毎日訪れていたブログがあります。
「こぶこぶたの毎日」、母と同じ肺腺ガンの患者さんのブログです。そのこぶこぶたさんが40才という若さで旅立たれました。

 こぶこぶたさんにはお会いした事はありませんが毎日ブログを読む事で、いつも前向きにご自身のご病気に立ち向かっていく姿や、彼女を支えるご主人やお子さんたち、ご両親やご姉妹の暖かい家族模様に触れて、私にとっては一方的ではありますがかなり近い、大きな励みとなる存在でした。
まだお母さんを必要とする年頃のお子さんたち、ご主人の心中を思うと悲しいというよりも苦しくなります。
 
 どんな事にも意味がある、という考え方は好きです。
でも同時に「こんな事にいったい何の意味がある!」と思う出来事も沢山あります。若い方の病による死にはいつも強くそう感じます。

 こぶこぶたさんのブログに励まされた方は本当に沢山いらっしゃると思います。
見ず知らずの私のような人間の中にもこぶこぶたさんの生きた証があります。ありがとう。
 
こぶこぶたさんのご冥福を心からお祈り申し上げます。

 

2008年1月24日木曜日

 朝起きたら窓の外が妙に明るく、まさかと思ったら雪が舞っていました。既に積もり始めていて、仕事へは車で行かなくてはいけないので不安でしたが出かける頃にはみぞれに変わっていました。
雪が降る事で生じる様々な不便をよそに、いい大人が心のどこかで「雪だ!!」と喜んでいるこの心理、何なのでしょう。私だけでしょうか。東京に暮らす人間の呑気な話ですね。

 母の薬を替えての治療が開始しました。
今回からはイリノテカン単剤です。激しい下痢の副作用が有名な薬剤ですが、ヒットすればとても良く効く薬だそうです。
どうか最低限の副作用で最大限の効果がありますように!!と虫の良い祈りをささげています。

 ここ数日、肝転移の治療を模索しています。
数年前に転移性肝ガンにも保険適応になったラジオ波治療、母の場合は原発の進行が著しい事で主治医からは有効性を否定されました。
画像に見えている転移を叩く事よりも今必要なのは原発と転移巣の進行を止める全身的な治療、すなわち抗がん剤治療だと言う訳です。理解出来る内容ですが、ラジオ波による治療を抗がん剤治療と「併用」して進行を食い止めるやり方もあるようです。
 色々な種類、組み合わせがある抗がん剤の有効性に関しては個人差があり、実際に投与してからの評価しか指針は無いようです。肝転移がある事でこのようなトライアルが果たして可能なのかどうか、そこにも不安があります。

 2月に頭には脳転移の検査もあります。その結果も怖いです。
...と不安材料を挙げればきりが無いので,今は「何とかなる!」と信じて日々生きていきたいと思っています。


 

 
 
 

2008年1月18日金曜日

報告

 あまり良く無い報告です。
2度目のイレッサの効果の程を見るべく行った先日のCT検査で肝転移の所見がありました。脳転移があった時からいつか来ると覚悟はしていたのですが実際起きてしまうととても冷静に受け止める事は出来ませんでした。
母はついこの間まで2度目のイレッサが効いていると信じていたようで、CEAを調べて一向に下がらないどころか上昇の一途を辿っている事に疑問を感じてCT検査をしました。

 この状態での肝転移がどれくらい厳しい状況か、告知からガン治療の事を調べ続けて来た私には分かります。頼りにしていた薬も使えなくなる可能性もあります。でも諦めません。現実をしっかりと受け止めて前向きにこの状況でも戦える方法を模索して行きます。
 原発性にも転移性にも効果のある肝臓ガン治療にRFA(ラジオ波)もあります。全身的に改善を見られる可能性のあるタルセバも発売間近です。試していない抗がん剤も沢山あります。

 思った以上にガンの進行は早く、イレッサが効いていない事にもっと早く気付いていれば、と後悔の念もありますがそれは考えても仕方の無い事。
 母はまだ元気に日常生活を送っています。そこを見つめて、その時間を可能な限り長く続くように努力したいです。

2008年1月6日日曜日

2008年のスタートです。

 このブログを覗いて頂いている皆さん、明けましておめでとうございます。
週明けから仕事始めの方も多いと思いますが私は明日からです。今月は自宅での仕事が多くなりそうです。ガソリンも高いし、風邪も流行しているのでその方が都合が良いくらいですが、適度に運動をしないと体重増加が危険な季節です。

 お正月に実家へ行きました。
両親と過ごす新年がかけがえの無い大切な時間のように感じています。過剰に感傷的になる事を極力避けて来ていましたが、母が告知を受けて二回目のお正月、家族で過ごした風景を目に焼き付けておこうと思いました。
数年前には思いもしなかった事です。
年末に、一方的ではありますがweb上で心の支えにして来た方たちの急変や急逝が度重なり私自身気弱になっているせいも有り、楽しい時があると裏腹に「これがいつまで...」という悲しい考えが浮かんでしまうのです。


 二回目のイレッサは幾分効果が上がっているようで、咳が治まってきたようです。後は画像診断、マーカーの推移の如何で効果の程が計られます。二回目という事は耐性の付く時期も早いのでしょうか。母は次の治療を探しておいて欲しい、と言っていますが、どうせなら長く効いて欲しいものです。

 次の治療、と一言で言っても難しい判断です。決して引導を渡す事の無い主治医に意見を求めても不毛です。
平岩正樹医師の著書と主治医からもらったレジメン表を見比べて見た所、まだ試していない薬剤、組み合わせが沢山ある事が分かりました。
 イレッサ耐性後は誰もが薬の選択に頭を悩ますようです。母の場合、脳転移との時間の戦いもありますし、知識と決断力のいる問題です。

 母の希望で脱毛の副作用が少ないものから試したいとの事、必然的にタキサン系の薬は外れます。白金系の薬剤は副作用が心配ではありますがシスプラチン+TS-1、もしくは単剤投与が主流のアムルビシン、イリノテカンあたりを主治医にリクエストしつつ意見をあおぐつもりです。投与量も少なめから増やして行く、という方法を取りたいと思っています。

 タルセバがいつから使えるようになるのかが分からないのですが、今タルセバを使ってしますと切り札が無くなる、という不安があるようです。その気持ちも分かります。
 難しいですね。どなたかご意見頂けるととてもありがたいです。