2008年11月13日木曜日

 母が亡くなってから何度か母の夢を見ました。どの夢にも全部病気が分かってからの母の姿で出て来ます。
夢の中でも母は辛く悲しげな表情をしていました。きっとそれは私の頭の中で起きている出来事、亡くなる前の母の姿を鮮烈に焼き付けてしまったからでしょう。母が夢の中で私に会いに来てくれた訳では無いと思っています。

 ところが先日ようやく少し様子の違った夢を見ました。
父と結婚する前の母が私と一緒に買物をする、という夢でした。
結婚前の母は今の私より10才以上も若いのですが、夢の中で私は年下の母に「お母さん」と呼びかけていました。

 夢の中の母は溌剌としたとても明るい若い女性でした。
あるお店でペンダントを買う母を見て私は「ああ、この時に買ったのがこれなんだ」と思ったのです。夢はそこまでしか覚えていません。

 これ、とは母の遺品の中で私が一番気に入っている、母のイニシャルが彫刻されている小さい丸い金のペンダントです。裏には『8.Jun.1964』と彫ってあります。24才の母はきっと何かの記念にこのペンダントを買ったのだと思います。小さい頃良く母の胸にこのペンダントがあったのを覚えています。今は遺影にかけてあります。

 ほんの少しの間でしたが母に会えた気がしました。また母からは元気な頃の姿を見せる事で「いつまでも悲しんでいないで。私の病気はもう終ったの。今は楽しい頃の事しか思い出せないくらい安らかだからね」と言われた気もします。

 

2 件のコメント:

ちびちび さんのコメント...

ぽんさん
ごぶさたしています。
何度かコメントさせていたちびちびです。
母が亡くなってから、すっかりがんの闘病サイトにアクセスすることが少なくなってしまいました。ぽんさんのこのサイトは私の母の闘病生活とすごくリンクして、まだオープンしていてなんだかほっとしました。
私はまだ入院して闘病中の母のことばかり思い出してしまいます。病気になる前の元気でハツラツとしていたころの母がどうしても思い浮かばないのです。
突然悲しみに襲われて涙を流したり、かと思うとすごく平気になったり、まだまだ母の死を心が消化できていないのですね、きっと。
ぽんさんのように、元気な母を夢でもいいから見てみたいです。
もうすぐ、生まれて初めて母のいない年越しを迎えます。母の不在にはなかなか慣れません。

ぽん さんのコメント...

ちびちびさん
レスがこんなに遅くなってしまってごめんなさい。
コメントありがとうございます。嬉しかったです。
私も同じです。母が亡くなってから、お世話になっていたサイトには思い出した時にしか行かなくなってしまいました。このブログはただのぼやきのようなものですが、本当に勝手ながら母に関しての思いを吐き出せる場所としてまだキープしているのです。

>突然悲しみに襲われて涙を流したり、かと思うとすごく平気になったり、まだまだ母の死を心が消化できていないのですね、きっと

分かります、一緒ですよ。
普段は自分でも驚くくらいに普通の顔をして暮らしているのですが、ふとした時に悲しいスイッチが入ってしまいます。母にはもっとしてあげたかった事が沢山あった、どうして人並みに日々のんびりと楽しめる老後が無かったのか、本当に悔しいです。

私も母が亡くなって初めてのお正月を迎えます。
お正月に母がいないなんて。
私も母の不在には全く慣れません。
お互い元気に年を越しましょうね。