月命日は毎月訪れます。どれくらい重んじて良いものやら、今だに分かりません。
9月の月命日は一日仕事で、しかも何だか大変な出来事もあり、バタバタとしている内に思い出す事すら出来ない状態でした。
翌日から仕事絡みで早朝から地方へ行きました。
その車中で「あ」と思った訳です。
さすがに命日は忘れないとは思いますが、月命日でも忘れてしまう事は薄情だと捉える方もいると思います。
でも自分としてはほんの少しずつでもそれまでの日常に帰り、時間に雑事に追われているこの世を生きている姿を故人に見てもらえる方が供養になるのかな、なんて思ったりもします。
それでも時折訪れる深い後悔や、単純に母に会いたくなる思いには抗えず、本当に悲しくなります。ある意味感情のバランスは完全に崩れているようです。一番辛いのは母が最後病院でどんどん日に日に衰弱していく様を不意に映像としてまざまざと思い出してしまう時です。
亡くなる3、4日前のリハビリで「あと一ヶ月くらいでちゃんと歩けるようになりますか?」と理学療法士に訊ねていた時の母の声、表情、脳の治療が効を奏して食欲が戻った最後の数週間、「明日は何を食べようかな」といたずらっぽい顔で考える母の表情、それら全てが映像として現れて、たまらない気持ちになり叫び出したくなる事もあります。
どこかおかしいのかな、と思う時もありますが、誰もがその様にして様々な形で支えを失い、自分のバランスを失って自分自身がオカシイのでは無いかと、思ったり、大丈夫だと確信したりを繰り返す。気付いてみればそれが普通の大人の人生なのかも知れません。
母が亡くなってから初めて山に行きました。
関東近郊の低山でしたが頂上へのラストスパートはなかなかどうして、休みや休み行っても季節外れの大汗、息切れ、頂上に着いた瞬間、達成感と疲労で座り込んでしまいました。
頂上には私たちととんぼ以外誰もおらず、少々ガスってはいましたが見晴らしも良く、気持ちの良い風が吹いて加熱した体全体を涼しくしてくれました。もう秋なんだな、と肌身で感じました。
3 件のコメント:
こんにちは。はじめまして。
肺がんに関するウェブをサーチしていてボンさんのブログに出会いました。お母様のご冥福を心からお祈りします。
私の母は今年の1月に肺ガン(腺ガン)Ⅳ期と告知されました。ゴルフが大好きな元気で明るい64歳です。風邪を引いたと思い病院でもらった薬も飲んでいたのに全く治らないので他の病院でレントゲンを撮ってもらったら『影』がみつかり、大きな病院を紹介されました。4クールのカルボプラチンとパクリタキセルの抗がん剤の後、主治医は『経過観察』をしようといいましたが、何もしないのはいやだったので、イレッサを始めてもらいました。現在は原発と最初からの副腎転移以外は転移がなく安定はしていますが、肝臓の数値が悪くてイレッサが1日おきになってしまいました。
私はボンさんのブログを最初から最新まで一気に読みました。主治医に対する気持ちや、お母様に対する気持ちなど共感することが本当にたくさんありました。私は結婚して海外に住んでいます。1月から7ヶ月日本にいましたが、今は離れています。ボンさんの文章を読んで、通える距離にいることの重要性を実感しました。
治療法など参考にさせていただき、精一杯母を支えていこうと思いますが、強くなりたいのになかなかうまくいきません。母も最近は落ち込んでいてどうしてあげればいいのか分かりません。。。
ぽんさん、こんばんは。
以前、コメントさせていただいたなつと申します。ぽんさんにたしか、ぽんさんのお母様と私の母は大体同じ病期ですねとコメントいただいたと思います。その母ですが、今年の5月の末に亡くなりました。3年半の闘病でした。3月末食事を全くとれない中抗がん剤を投与、白血球の急激な低下、肺炎、それでも快方に向かっていると家族は信じていました。たぶん、母自身もそうだったんじゃないかと思います。でも、それはステロイドによるものだったらしく、ある時を境に母は急変し、亡くなりました。今、約4か月が過ぎようとしています。
ぽんさんのお母様の「歩けるようになりますか」という健気な言葉に、改めて救うことができなかった自分の無力さに悔しさを覚えました。
私も大丈夫だったり、ダメだったりを日々繰り返しています。ダメなとき、どうやって自分をコントロールしたらいいのか途方にくれます。でも、ぽんさんと同じように、忙しい日常がそれを緩和してくれているのかなと思います。
また、こちらにおじゃまさせてください。
>ゆうこさん
はじめまして。闘病期と思って開いてみたら他界した母の記事があってがっかりされたのでは無いかと、それが心配です。
落ち込んでいるお母様の近くにいられないのは本当にご心配でしょうね。支える方の精神力も必要となってくるのが闘病なのだと思います。
ゆうこさんはゆうこさんの出来る範囲でお母様を支えて差し上げればお母様には思いは伝わると思います。
イレッサにより肝機能値が悪いとの事、作用と副作用のバランス、頭が痛い問題ですね。母も初めてイレッサを服用した際にはかなりの肝機能値上昇がありました。しばらく継続していると徐々に落ちてきました。
アリムタやアバスチンも数年内には非小細胞肺癌に認可される可能性があると聞きました。
現状ではタルセバもある事ですし、今の状態が落ち着いているのであれば体力温存を前提に治療の希望を持ち続けて下さいね!
ゆうこさんご自身の心身もお大事にされて下さい。
>なつさん
コメントありがとうございます。覚えています。
遅ればせながらお母様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
お母様のご闘病を見守られたご家族の方々もお疲れが出る頃では無いでしょうか。
私も今になって「あの時こうしていれば」とばかり思ってしまったりします。どれだけ後悔してももう母は戻って来ないので切り替えないといけないのですがなかなかうまくいきません。
私も日々そんな気持ちが押し寄せたり、割と平気になれたりと気持ちににむらがありますよ、一緒です。
ただもう母は薬の副作用や脳転移の吐き気に苦しまなくて良いのだ、という事だけが救いです。
お気持ち痛いほど分かります。どうかお互いに元気に生きていける元気が戻りますように。
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