2007年4月27日金曜日

イレッサについて

 副作用の間質性肺炎による多数の死亡者を出した事や延命効果が見られないとの統計が発表された事で認可取り下げを訴えている人たちが沢山います。
ご家族をイレッサの副作用で亡くされた方々や、その団体がそう訴えるのは理解出来ます。本当に辛い思いをされたのだと思います。副作用を示唆されずに服用していた時代の悲劇だという事だけでは片付けられない問題です。
そういう方々にとっては排斥すべき憎き薬だと思う気持ちは当然だと思います。

 反面、私の母のようにイレッサのお陰でQOLを得られ、精神的にも肉体的にも救われた患者も多くいるはずです。
タキソテール単剤使用と比べて延命効果が変わらない、もしくは以下であるというのはあくまでも症例を平たく馴らした統計ですね。
これほどに個体差があるガンという病気を語る上で統計というものが如何に無意味なものであるか、私のような人間でも分かります。
 
 そして上記のような方々以外で認可の取り下げを訴えている人たちはどのような意図があるのでしょうか。様々な利害関係を想像してしまうのは私だけでは無いと思います。
多発性骨髄腫などに効果がある事が分かっている、かつて沢山の副作用被害を出したサリドマイドでも同様の事があるようです。
命を失った人、命を得た人、この大きな二分の許には決して理解も譲歩もありません。

でも、新聞記事や一方に寄った意見だけを飲み込んで、正義漢ぶって認可取下げを語るようなマネをする輩は許せません。
患者自身、患者家族は、後戻りは出来ない判断を常に求められています。その重さを知っている人たちだけが語って良い事では無いでしょうか。

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